癒し手であられるイエス・キリストについて、キャロル・M・スティーブンズ姉妹が話されています。
少し長いですが、引用します。
……癒し手であられる主は,わたしたちが苦痛を伴う「死すべき世の現実」,[13]すなわち災害,精神疾患,病気,慢性痛,死などを経験するとき,わたしたちを慰め支えてくださいます。最近わたしは,双極性障害を患うジョシーというすばらしい若い女性と知り合いました。これは彼女が分かち合ってくれた,癒しへと向かう旅路のほんの一部です。「最も困難だったときを,家族とわたしは『床に横たわるだけの日々』と呼んでいます。そのような日は,あらゆる種類の音や接触,光に対して感覚が過剰に働き,過敏になり,拒否反応が始まります。極度の精神的苦痛をもたらすものです。中でも,特に忘れられない日があります。症状が出始めたころだったので,自分の経験していることが特に恐ろしく感じられました。わたしは泣きじゃくり,息を吸うたび涙が頬を流れたのを覚えています。しかし,そのようなひどい苦しみでさえ,何とかわたしを助けようと必死になり,パニック状態に圧倒される母を見たときの苦痛に比べれば,はるかに軽いものでした。わたしの傷ついた心は,母の心をも張り裂けさせていました。闇が深まる中,間もなく壮大な奇跡を経験しようとしているとは思いもしませんでした。長い時が過ぎゆく中で,母は何度も何度もこうささやきました。『あなたのこの苦しみを取り除くためなら,わたしは何でもするわ。』そうするうちに暗闇はさらに増し,これ以上耐えられないとわたしが思ったとき,驚くべきことが起こりました。突然,理解を超えた驚くべき力がわたしの体を覆いました。そして,『自分が持つ以上の強さ』を得たわたしは,[14]わたしの痛みを背負ってやりたいという母が繰り返し願った望みに対して,深い確信を持って,人生を変える言葉を言い放ったのです。『必要ないわ,お母さん。すでにそうしてくれた方がいらっしゃるから。』」人を弱める精神疾患の深い淵から,ジョシーはイエス・キリストと主の贖いを証する力を奮い起こしたのです。その日,彼女は完全に癒されたわけではありませんが,深い暗闇の中で,希望の光を受けたのです。イエス・キリストの教義を根本から理解することにより支えられ,救い主の生ける水により日々,力づけられているジョシーは,今も癒しへの旅を続け,癒し手であられる主に対して,確固とした信仰を働かせています。その道を歩みながら,彼女は人々を助けています。ジョシーはこう言います。「暗闇に終わりがないように感じるとき,主の深い憐れみの記憶に頼ります。困難な中を歩むとき,それが導く光となるのです。」[15]姉妹たち,わたしは証します。罪によって生じる悲しみの重荷を,独りで背負い続ける必要はありません。人々の不義な行いにより生じた痛みを,独りで背負う必要はありません。苦痛を伴う死すべき世の現実を,独りで経験する必要はありません。救い主はこう嘆願しておられます。「わたしがあなたがたを癒すことができるように,今あなたがたはわたしに立ち返り,自分の罪を悔い改め,心を改めようとしているか。……あなたがたは,わたしのもとに来るならば永遠の命を得るであろう。見よ,わたしの憐れみの腕はあなたがたに向けて伸べられている。わたしは来る者をだれでも受け入れよう。」[16]「あなたのこの苦しみを取り除くためなら,〔主は〕何でもしてくださいます。」事実,「〔主は〕すでにそうされたのです。」癒し手であられる主,イエス・キリストの御名により,アーメン。◇脚注[13]ポール・B・パイパー「死すべき世―その明らかにされた現実」『リアホナ』2016年1月号,44参照[14]「われ主を愛して」『賛美歌』134番[15]ジョシーの癒しへの旅路について,さらに詳しくは,モーガン・ジョーンズ,“Bipolar Disorder Can’t Stop LDS Woman from Spreading Light, Joy through the 444 Project,”Deseret News ,2016年3月21日付,deseretnews.comを参照[16]モルモン書 3ニーファイ9:13-14
苦しむ娘に、母親は何度も何度もささやきました。
「あなたのこの苦しみを取り除くためなら,わたしは何でもするわ。」
娘は苦しみの中、確信をもって母親に告げます。
「必要ないわ,お母さん。すでにそうしてくれた方(イエス・キリスト)がいらっしゃるから。」
スティーブンズ姉妹は、言います。
「あなたの(私たちの)この苦しみを取り除くためなら,〔主は〕何でもしてくださいます。」事実,「〔主は〕すでにそうされたのです。」
イエス・キリストは私の罪を取り除き、日々の苦しみを軽くするために、癒すために、問題を解決するために、成長して主に似た者となり神様のみもとへ帰るために、私のすべて、苦しみ、弱さを受けて贖いをされました。
そして今も、私を救うために最善を尽くし、休まず働かれています。
私に与えられた理解と経験により、すべての神の子供たち一人ひとりのために主は愛をもって贖いをされ、今も働き、助けてくださっていることを知っています。
私たちは、独りで苦しむ必要はありません。
主を信頼し、すべてを主にゆだねるとき、主はその大いなる愛と御手をもって助けてくださいます。
イエス・キリストは、全人類一人ひとりの個人的な贖い主です。
そのことに感謝しています。